【簿記3級問題集④】「純資産取引」の勘定記入問題(第2問対策)

【簿記3級問題集④】「純資産取引」の勘定記入問題(第2問対策)

日商簿記3級試験の第2問対策として、繰越利益剰余金の処理や株式発行などの純資産取引が論点となる勘定記入問題を2問用意しました。ネット試験(CBT)形式にも対応しています(※ただし、採点機能はありません)。

1問あたり7分~8分で解くのが理想です(長くても10分)。ぜひチャレンジしてみてください。

なお、純資産の取引や勘定締め切りの論点に自信がない方は、先にこちらの記事を見ておくことをおすすめします。

目次

問1. 繰越利益剰余金の勘定記入

Q. 問題

下記の取引について解答欄の各勘定に記入しなさい。会計期間は3月31日を決算日とする1年である。なお、摘要欄と勘定科目名の空欄に用いる勘定科目等に関しては、プルダウンから最も適当であると思われるものを選び、選択すること。

X2年6月30日株主総会が開催され、繰越利益剰余金から次のとおり配当および処分することが決議された。
配当金:¥300,000
利益準備金の積立て:¥30,000
X3年3月31日当期決算における決算整理後の収益および費用の各勘定残高(法人税等を除く)は解答欄の損益勘定のとおりであった。当期の法人税等は、税引前の利益に対して30%である。
利益準備金
X3/3/31 X2/4/1 前期繰越 400,000
X2/6/30
繰越利益剰余金
X2/6/30 未払配当金 X2/4/1 前期繰越 1,500,000
X3/3/31
X3/3/31
損益
X3/3/31 仕入 4,500,000 X3/3/31 売上 6,700,000
給料 800,000 受取利息 340,000
減価償却費 200,000

A. 解答&解き方ガイド

解答

利益準備金
X3/3/31 次期繰越 430,000 X2/4/1 前期繰越 400,000
X2/6/30 繰越利益剰余金 30,000
430,000 430,000
繰越利益剰余金
X2/6/30 未払配当金 300,000 X2/4/1 前期繰越 1,500,000
利益準備金 30,000 X3/3/31 損益 1,078,000
X3/3/31 次期繰越 2,248,000
2,578,000 2,578,000
損益
X3/3/31 仕入 4,500,000 X3/3/31 売上 6,700,000
給料 800,000 受取利息 340,000
減価償却費 200,000
法人税等 462,000
繰越利益剰余金 1,078,000
7,040,000 7,040,000

解き方ガイド

本問は、剰余金の配当および処分に関する勘定記入問題です。

勘定記入問題の基本的な解き方は次のとおりです。

勘定記入問題の基本的な解き方
STEP
開始記入・期首再振替仕訳
  • 前期からの繰越がある場合は開始記入を行う
  • 繰り延べ・見越しや貯蔵品のケースでは、前期の決算整理仕訳の逆仕訳を行い、各勘定に転記する
STEP
期中仕訳

問題文の各取引について仕訳を作成し、各勘定に転記する

STEP
決算整理仕訳

繰り延べ・見越しなどの決算整理仕訳を作成し、各勘定に転記する

STEP
収益・費用・損益勘定の締め切り
  • 収益・費用勘定の残高を損益勘定に振り替える仕訳を作成し、転記する
  • 損益勘定から当期純利益(純損失)を繰越利益剰余金に振り替える(損益勘定の記入がある場合)
STEP
資産・負債勘定の締め切り
  • 資産勘定の借方残高について、貸方側に期末日の日付で「次期繰越」と金額を記入する
  • 負債勘定の貸方残高について、借方側に期末日の日付で「次期繰越」と金額を記入する
STEP
資産・負債勘定の開始記入
  • 資産勘定の借方側に、翌期首の日付で「前期繰越」と繰り越した金額を記入する
  • 負債勘定の貸方側に、翌期首の日付で「前期繰越」と繰り越した金額を記入する

本問の具体的な解き方は次のとおりです。

STEP
開始記入・期首再振替仕訳

本問ではすでに開始記入が埋まっている状態なので、解答は不要です。

STEP
期中仕訳

X2年6月30日に株主総会が開催され、剰余金の配当および処分が決議されたので、これを仕訳します。

X2年6月30日:剰余金を配当、処分したときの仕訳

借方貸方
繰越利益剰余金 330,000未払配当金 300,000
利益準備金 30,000

配当することが決まった分については、配当金を支払った旨の記載がないので、負債の増加として「未払配当金」で処理します(貸方→記入)。

また、利益準備金に積み立てる分については、「利益準備金」に振り替えます(貸方→記入)。

上記の仕訳を各勘定に転記すると次のようになります。

なお、繰越利益剰余金勘定のX2年6月30日の借方の摘要欄にすでに「未払配当金」と記入されているので、本問では「未払配当金」と「利益準備金」を分けて記入します(諸口ではない)。

問1-1
STEP
決算整理仕訳

本問では、法人税等の勘定記入は不要ですが、提示されている損益勘定から税引前当期純利益を計算し、その利益に基づいて法人税等の金額を計算しておく必要があります。想定される仕訳は次のとおりです。

X3年3月31日:決算整理仕訳(法人税等の処理)

借方貸方
法人税等 462,000未払法人税等 462,000

この仕訳を作成するためには、まず税引前当期純利益を計算します。本問では損益勘定に売上、受取利息、仕入、給料、減価償却費があらかじめ記入されているため、ここから当期純利益を計算します。

問1-2

次に、問題文の指示(税率30%)に従い、法人税等の金額を次のように計算します。

法人税等の計算
  • 法人税等の金額 : 税引前当期純利益 1,540,000円 × 税率30% = 462,000円
STEP
損益勘定の締め切り

本問では法人税等勘定が解答欄にありませんが、損益勘定を締め切る前に、まずは法人税等勘定の残高(462,000円)を損益勘定に振り替えておく必要があります。

① X3年3月31日:法人税等勘定の締め切り

借方貸方
損益462,000法人税等 462,000

次に、損益勘定の残高(当期純利益)を繰越利益剰余金(純資産)に振り替えます。

② X3年3月31日:損益勘定の締め切り

借方貸方
損益1,078,000繰越利益剰余金 1,078,000

仕訳を損益勘定に転記すると次のようになります。

問1-3
STEP
利益準備金勘定、繰越利益剰余金勘定の締め切り

期末日の日付にて、利益準備金勘定の残高(430,000円)を借方側に「次期繰越」として記入し、勘定の締め切りを行います。

また、同様に繰越利益剰余金勘定についても残高(2,248,000円)を借方側に「次期繰越」として記入し、勘定の締め切りを行います。

問1-4
STEP
利益準備金勘定、繰越利益剰余金勘定の開始記入

本問では翌期首(X3年4月1日)の空欄がないので、開始記入は不要です。

以上で問1の解説をおわります。

問2. 資本金、繰越利益剰余金の勘定記入

Q. 問題

下記の取引について解答欄の各勘定に記入しなさい。会計期間は3月31日を決算日とする1年である。なお、摘要欄と勘定科目名の空欄に用いる勘定科目等に関しては、プルダウンから最も適当であると思われるものを選び、選択すること。

X3年6月30日株主総会が開催され、繰越利益剰余金から次のとおり配当および処分することが決議された。
配当金:¥500,000
利益準備金の積立て:¥50,000
X3年10月10日新たに株式400株を1株あたり¥1,000で発行し、その全額について払い込みを受けた。払込金額は当座預金口座に振り込まれた。
X4年3月31日当期決算における決算整理後の収益および費用の各勘定残高(法人税等を除く)は解答欄の損益勘定のとおりであった。当期の法人税等は、税引前の利益に対して30%である。
資本金
X4/3/31 X3/4/1 前期繰越 1,000,000
X3/10/10
利益準備金
X4/3/31 X3/4/1 前期繰越 500,000
X3/6/30
繰越利益剰余金
X3/6/30 未払配当金 X3/4/1 前期繰越 850,000
X4/3/31
X4/3/31
損益
X4/3/31 仕入 8,500,000 X4/3/31 売上 12,000,000
給料 1,000,000
支払家賃 800,000

A. 解答&解き方ガイド

解答

資本金
X4/3/31 次期繰越 1,400,000 X3/4/1 前期繰越 1,000,000
X3/10/10 当座預金 400,000
1,400,000 1,400,000
利益準備金
X4/3/31 次期繰越 550,000 X3/4/1 前期繰越 500,000
X3/6/30 繰越利益剰余金 50,000
550,000 550,000
繰越利益剰余金
X3/6/30 未払配当金 500,000 X3/4/1 前期繰越 850,000
利益準備金 50,000 X4/3/31 損益 1,190,000
X4/3/31 次期繰越 1,490,000
2,040,000 2,040,000
損益
X4/3/31 仕入 8,500,000 X4/3/31 売上 12,000,000
給料 1,000,000
支払家賃 800,000
法人税等 510,000
繰越利益剰余金 1,190,000
12,000,000 12,000,000

解き方ガイド

本問は、増資(株式の追加発行)、剰余金の配当および処分に関する勘定記入問題です。基本的な解き方は問1と同じです。

STEP
開始記入・期首再振替仕訳

本問ではすでに開始記入が埋まっている状態なので、解答は不要です。

STEP
期中仕訳

X3年6月30日に株主総会が開催され、剰余金の配当および処分が決議されたので、これを仕訳します。

X3年6月30日:剰余金を配当、処分したときの仕訳

借方貸方
繰越利益剰余金 550,000未払配当金 500,000
利益準備金 50,000

配当することが決まった分については、配当金を支払った旨の記載がないので、負債の増加として「未払配当金」で処理します(貸方→記入)。

また、利益準備金に積み立てる分については、「利益準備金」に振り替えます(貸方→記入)。

次に、X3年10月10日の増資の仕訳を行います。

X3年10月10日:増資(株式の追加発行)をしたときの仕訳

借方貸方
当座預金 400,000資本金 400,000

増資(株式の追加発行)をしたときは、原則として払込金額の全額を「資本金」(純資産)として処理します(純資産の増加として貸方→に記入する)。

上記2つの仕訳を各勘定に転記すると次のようになります。

なお、繰越利益剰余金勘定のX3年6月30日の借方の摘要欄にすでに「未払配当金」と記入されているので、本問では「未払配当金」と「利益準備金」を分けて記入します(諸口ではない)。

問2-1
STEP
決算整理仕訳

本問では、法人税等の勘定記入は不要ですが、提示されている損益勘定から税引前当期純利益を計算し、その利益に基づいて法人税等の金額を計算しておく必要があります。想定される仕訳は次のとおりです。

X4年3月31日:決算整理仕訳(法人税等の処理)

借方貸方
法人税等 510,000未払法人税等 510,000

この仕訳を作成するためには、まず税引前当期純利益を計算します。本問では損益勘定に売上、受取利息、仕入、給料、減価償却費があらかじめ記入されているため、ここから当期純利益を計算します。

問2-2

次に、問題文の指示(税率30%)に従い、法人税等の金額を次のように計算します。

法人税等の計算
  • 法人税等の金額 : 税引前当期純利益 1,700,000円 × 税率30% = 510,000円
STEP
損益勘定の締め切り

本問では法人税等勘定が解答欄にありませんが、損益勘定を締め切る前に、まずは法人税等勘定の残高(510,000円)を損益勘定に振り替えておく必要があります。

① X4年3月31日:法人税等勘定の締め切り

借方貸方
損益510,000法人税等 510,0000

次に、損益勘定の残高(当期純利益)を繰越利益剰余金(純資産)に振り替えます。

② X4年3月31日:損益勘定の締め切り

借方貸方
損益1,190,000繰越利益剰余金 1,190,000

仕訳を損益勘定に転記すると次のようになります。

問2-3
STEP
資本金勘定、利益準備金勘定、繰越利益剰余金勘定の締め切り

期末日の日付にて、資本金勘定の残高(1,400,000円)を借方側に「次期繰越」として記入し、勘定の締め切りを行います。

問2-4

また、同様に利益準備金勘定の残高(550,000円)と繰越利益剰余金勘定の残高(1,490,000円)についても、借方側に「次期繰越」として記入し、勘定の締め切りを行います。

問2-5
STEP
資本金勘定、利益準備金勘定、繰越利益剰余金勘定の開始記入

本問では翌期首(X4年4月1日)の空欄がないので、開始記入は不要です。

以上で問2の解説をおわります。

【簿記3級問題集④】「純資産取引」の勘定記入問題(第2問対策)

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