日商簿記3級で出題される「貸倒れと貸倒引当金」に関する仕訳を集めた問題集です。
学習内容の復習や、本試験の第1問対策として、全問正解を目指してチャレンジしてみてください。
難易度 Lv.1 ★☆☆(やさしい)
問1. 当期貸倒れ時の仕訳
当期に得意先に商品を売り上げたことで発生した売掛金¥15,000が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の残高は20,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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貸倒損失 | 15,000 | 売掛金 | 15,000 |
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– | – | ||
– | – |
【解説】
当期に発生した売掛金の貸倒れに関する仕訳問題。
当期に発生した売掛金が貸し倒れたときは、貸倒損失(費用)で処理します
- 当期に発生した売掛金が貸し倒れたときは、貸倒損失(費用)を←借方に記入します。
- 売掛金が貸し倒れたので、売掛金(資産)を貸方→に記入します。
問2. 貸倒引当金の設定時の仕訳①
当期の決算において、売掛金の残高¥300,000に対して、3%の貸倒引当金を設定する。なお、貸倒引当金の期末残高は¥2,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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貸倒引当金繰入 | 7,000 | 貸倒引当金 | 7,000 |
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– | – | ||
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【解説】
貸倒引当金の設定(期末残高 ≦ 当期の貸倒見積高のケース)に関する仕訳問題。
貸倒引当金を設定するとき、当期の貸倒見積高の金額が期末残高より大きい場合は、貸倒引当金繰入(費用)で処理します
- 売掛金の残高が300,000円に対して3%の貸倒引当金を設定するので、9,000円(300,000円×3%)の貸倒引当金を設定します。
- 貸倒引当金の期末残高が2,000円なので、差額の7,000円(9,000円-2,000円)を補充します。
- 当期の貸倒見積高が期末残高より金額が大きい場合は、貸倒引当金繰入(費用)を←借方に記入します。
- 貸倒引当金を追加で設定するので、貸倒引当金(資産の評価勘定)を貸方→に記入します。
問3. 貸倒引当金の設定時の仕訳②
当期の決算において、売掛金の残高¥150,000に対して、2%の貸倒引当金を設定する。なお、貸倒引当金の期末残高は¥4,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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貸倒引当金 | 1,000 | 貸倒引当金戻入 | 1,000 |
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【解説】
貸倒引当金の設定(期末残高 > 当期の貸倒見積高のケース)に関する仕訳問題。
貸倒引当金を設定するとき、当期の貸倒見積高の金額が期末残高より小さい場合は、貸倒引当金戻入(収益)で処理します
- 売掛金の残高が150,000円に対して2%の貸倒引当金を設定するので、3,000円(150,000円×2%)の貸倒引当金を設定します。
- 貸倒引当金の期末残高が4,000円なので、差額の1,000円(4,000円-3,000円)について取り崩します。
- 貸倒引当金を取り崩すので、貸倒引当金(資産の評価勘定)を←借方に記入します。
- 当期の貸倒見積高が期末残高より金額が小さい場合は、貸倒引当金戻入(収益)を貸方→に記入します。
問4. 前期以前に生じた債権の貸倒れ時の仕訳①
長崎商店に対する売掛金¥420,000(前期販売分)が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の残高は¥500,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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貸倒引当金 | 420,000 | 売掛金 | 420,000 |
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– | – |
【解説】
前期以前に生じた債権の貸倒れ(貸倒れ金額 ≦ 貸倒引当金のケース)に関する仕訳問題。
前期以前に生じた債権が貸し倒れたとき、貸倒引当金の金額が貸倒れ金額より大きい場合は、貸倒れ金額の全額を貸倒引当金(資産)から取り崩します
- 貸し倒れた金額について、貸倒引当金を取り崩すので、貸倒引当金(資産の評価勘定)を←借方に記入します。
- 売掛金が貸し倒れたので、売掛金(資産)を貸方→に記入します。
問5. 前期以前に生じた債権の貸倒れ時の仕訳②
栃木商店に対する売掛金¥500,000(前期販売分)が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の残高は¥350,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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貸倒引当金 | 350,000 | 売掛金 | 500,000 |
貸倒損失 | 150,000 | ||
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【解説】
前期以前に生じた債権の貸倒れ(貸倒れ金額 > 貸倒引当金のケース)に関する仕訳問題。
前期以前に生じた債権が貸し倒れたとき、貸倒引当金の金額が貸倒れ金額より小さい場合は、まず貸倒引当金の全額について貸倒引当金(資産)から取り崩し、貸倒れ金額の残額を貸倒損失(費用)として処理します
- 貸し倒れた金額について、貸倒引当金を取り崩すので、貸倒引当金(資産の評価勘定)を←借方に記入します。このとき、貸倒引当金の全額(350,000円)を取り崩します。
- 貸倒れ金額の残額150,000円(500,000円-350,000円)について、貸倒損失(費用)として処理します(←借方記入)
- 売掛金が貸し倒れたので、売掛金(資産)を貸方→に記入します。
問6. 前期以前に貸倒処理した債権の回収時の仕訳
前期に貸倒れとして処理していた三重商店に対する売掛金¥190,000のうち、¥90,000を現金で回収することができたので、ただちに当座預金とした。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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当座預金 | 90,000 | 償却債権取立益 | 90,000 |
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【解説】
前期以前に貸倒処理した債権の回収に関する仕訳問題。
前期以前に貸倒処理した債権を回収したときは、償却債権取立益(収益)で処理します
- 貸倒処理した売掛金を現金で回収し、ただちに当座預金としたので、当座預金(資産)を←借方に記入します。
- 前期以前に貸倒処理した債権を回収したときは、償却債権取立益(収益)を貸方→に記入します。
難易度 Lv.2 ★★☆(ふつう)
問7. 前期以前に生じた債権の貸倒れ時の仕訳③
福島商店に対する売掛金¥250,000(前期販売分)について、本日、¥50,000を現金で回収し、残額については貸倒れとして処理した。なお、貸倒引当金の残高は¥400,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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現金 | 50,000 | 売掛金 | 250,000 |
貸倒引当金 | 200,000 | ||
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【解説】
前期以前に生じた債権の貸倒れ(貸倒れ金額 ≦ 貸倒引当金のケース)に関する仕訳問題。
- 売掛金のうち、50,000円分は現金で回収したので、現金(資産)を←借方に記入します。
- 売掛金のうち、回収できなかった残額200,000円(250,000円-50,000円)について、貸倒引当金を取り崩すので、貸倒引当金(資産の評価勘定)を←借方に記入します。
- 売掛金について回収および貸倒処理をしたので、売掛金(資産)を貸方→に記入します。
問8. 前期以前および当期に生じた債権の貸倒れ時の仕訳
得意先の埼玉株式会社が倒産し、売掛金¥460,000(内訳:前期販売分¥310,000、当期販売分¥150,000)について、貸倒れの処理を行う。なお、貸倒引当金の残高は¥200,000である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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貸倒引当金 | 200,000 | 売掛金 | 460,000 |
貸倒損失 | 260,000 | ||
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【解説】
前期以前および当期に生じた債権の貸倒れに関する仕訳問題。
- 貸し倒れた売掛金のうち、310,000円分は前期以前に生じたものなので、貸倒引当金(資産の評価勘定)を取り崩して処理します(←借方記入)。このとき、貸倒れ金額よりも貸倒引当金の方が金額が小さいので、取り崩す額は貸倒引当金の全額(200,000円)となります。
- 前期以前の売掛金の貸倒れ金額のうち、貸倒引当金で処理できなかった残額110,000円(310,000円-200,000円)と、当期に生じた売掛金の貸倒れ金額150,000円の合計金額160,000円については、貸倒損失(費用)として処理します(←借方記入)。
- 売掛金が貸し倒れたので、売掛金(資産)を貸方→に記入します。