日商簿記3級で出題される「現金・預金」の仕訳を集めた問題集です。
学習内容の復習や、本試験の第1問対策として、全問正解を目指してチャレンジしてみてください。
難易度 Lv.1 ★☆☆(やさしい)
問1.【現金】小切手・郵便為替証書の処理
得意先宮城株式会社に対する売掛金¥36,000のうち、¥12,000は同社振出の小切手で、¥24,000は普通為替証書(郵便為替証書)で受け取った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 36,000 | 売掛金 | 36,000 |
– | |||
– | – | ||
– | – |
【解説】
小切手・郵便為替証書の受け取りに関する仕訳問題。
他人振出小切手・送金小切手・郵便為替証書を受け取ったときは、現金(資産)で処理します
- 他人振出小切手や送金小切手、郵便為替証書などの通貨代用証券を受け取ったときは、現金(資産)を←借方に記入します。
- 売掛金を回収したので、売掛金(資産)を貸方→に記入します。
問2.【預金】普通預金による支払い
買掛金の決済のため、普通預金口座から¥50,000を振り込んだ。なお、当社負担の振込手数料¥200が同口座から引き落とされた。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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買掛金 | 50,000 | 普通預金 | 50,200 |
支払手数料 | 200 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
普通預金による支払い(手数料あり)に関する仕訳問題。
出金時に当社負担の振込手数料が生じたときは、支払手数料(費用)で処理します
- 買掛金を支払ったときは、負債の減少として、買掛金(負債)を←借方に記入します。
- 振込手数料が生じたときは、支払手数料(費用)を←借方に記入します。
- 買掛金50,000円と振込手数料200円が普通預金口座から支払われたので、合計金額の50,200円について、普通預金(資産)を貸方→に記入します。
問3.【預金】普通預金への入金
得意先から売掛金¥200,000の回収として、振込手数料¥500(当社負担)を差し引かれた残額が当社の普通預金口座に振り込まれた。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 199,500 | 売掛金 | 200,000 |
支払手数料 | 500 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
普通預金への入金(手数料あり)に関する仕訳問題。
入金時に当社負担の振込手数料が生じたときは、支払手数料(費用)で処理します
- 振込手数料が生じたときは、支払手数料(費用)を←借方に記入します。
- 売掛金200,000円から振込手数料500円を差し引いた残額199,500円が普通預金に振り込まれたので、普通預金(資産)を←借方に記入します。
- 売掛金を回収したので、資産の減少として、売掛金(資産)を貸方→に記入します。
問4.【預金】普通預金に対する利息の受け取り
甲銀行の普通預金に対する利息¥1,200が普通預金口座に振り込まれた。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 1,200 | 受取利息 | 1,200 |
– | |||
– | – | ||
– | – |
【解説】
普通預金による支払いに関する仕訳問題。
銀行口座の利息を受け取ったときは、受取利息(収益)で処理します
- 銀行口座の利息を受け取ったときは、受取利息(収益)を貸方→に記入します。
- 普通預金に振り込まれたので、普通預金(資産)を←借方に記入します。
難易度 Lv.2 ★★☆(ふつう)
問5.【預金】小切手の振り出し
商品¥22,000を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。なお、商品の引取運賃¥400を現金により支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 22,400 | 当座預金 | 22,000 |
– | 現金 | 400 | |
– | – | ||
– | – |
【解説】
小切手の振り出しに関する仕訳問題。
小切手を振り出したときは、当座預金(資産)を貸方→に記入します
- 商品を仕入れたときは、仕入(費用)を←借方に記入します。このとき、商品の代金22,000円に当社負担の仕入諸掛り400円を加えた金額(22,400円)で記入します。
- 仕入代金は小切手を振り出して支払ったので、当座預金(資産)を貸方→に記入します。
- 引取運賃は現金で支払ったので、現金(資産)を貸方→に記入します。
問6.【預金】自己振出小切手の受け取り
商品¥55,000(送料込み)を販売し、代金はかつて当社が振り出した小切手(自己振出小切手)により受け取った。なお、商品を運送業者に引き渡すと同時に送料¥500(費用処理する)を現金で支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 55,000 | 売上 | 55,000 |
発送費 | 500 | 現金 | 500 |
– | – | ||
– | – |
【解説】
自己振出小切手の受け取りに関する仕訳問題。
自己振出小切手を受け取ったときは、当座預金(資産)を←借方に記入します
- 自己振出小切手を受け取ったときは、小切手の振り出しの取り消し(資産の増加)として、当座預金(資産)を←借方に記入します。
- 商品を販売したときは、売上(収益)を貸方→に記入します。
- 売上諸掛り500円を現金で支払ったので現金(資産)を資産の減少として貸方→に記入するとともに、費用の発生として発送費(費用)を←借方に記入します。
問7.【預金】当座借越
決算日にあたり、当座預金勘定の貸方残高¥80,000を当座借越勘定に振り替える。なお、当社は取引銀行との間に¥100,000を借越限度額とする当座借越契約を締結している。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 80,000 | 当座借越 | 80,000 |
– | |||
– | – | ||
– | – |
【解説】
当座借越に関する仕訳問題。
決算日において当座借越(当座預金の貸方残高)が生じているときは、当座借越(負債)または借入金(負債)で処理します(勘定科目は問題文の指示に従います)
- 当座預金の貸方残高は一時的な銀行からの借入を意味するので、貸方残高を当座預金(資産)から当座預金(負債)に振り替えます。
- 貸方残高80,000円について、当座預金(資産)を←借方に記入し、当座預金(負債)を貸方→に記入します。
問8.【預金】複数の銀行口座
X2年1月1日にA銀行に預け入れた1年ものの定期預金¥500,000について、本日満期となったため、元金と利息の合計額をA銀行の普通預金に預け替えた。なお、利息は利率年0.2%、満期日(X2年12月31日)に受け取る条件であった。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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普通預金A銀行 | 501,000 | 定期預金A銀行 | 500,000 |
– | 受取利息 | 1,000 | |
– | – | ||
– | – |
【解説】
複数の銀行口座に関する仕訳問題。
複数の銀行口座を開設している場合は、預金口座を銀行別に管理するため、各預金勘定に銀行名を付けた勘定科目を使用します
- 定期預金(A銀行)から普通預金(A銀行)に預け替えたときは、普通預金A銀行(資産)を←借方に記入し、定期預金A銀行を貸方→に記入します。
- 銀行口座の利息を受け取ったときは、受取利息(収益)を貸方→に記入します。金額は預金金額500,000円に利率0.2%を掛けて計算します(500,000円×0.2%=1,000円)。
問9.【現金】現金過不足①
月末に金庫を実査したところ、紙幣¥50,000、硬貨¥450、郵便切手¥1,200が保管されていたが、現金出納帳の残高は¥52,000であった。不一致の原因がすぐには判明しなかったので、現金過不足勘定で処理した。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 350 | 現金 | 350 |
– | |||
– | – | ||
– | – |
【解説】
現金過不足に関する仕訳問題。
原因不明の現金過不足が発生したときは、現金過不足勘定で処理します
- 現金出納帳の残高52,000円に対して、実際の有高は51,650円(50,000円+450円+1,200円)なので、350円不足しています。したがって、まず現金(資産)を貸方→に記入して、帳簿残高を実際有高に合わせるとともに、←借方には現金過不足勘定を記入します。
問10.【現金】現金過不足②
現金過不足勘定で処理していた¥2,100(不足額)につき、決算日においてあらためて原因を調査したところ、支払手数料¥2,000の支払いの計上漏れだったことが判明した。残りの金額については原因が不明であったため、適切な処理を行った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
支払手数料 | 2,000 | 現金過不足 | 2,100 |
雑損 | 100 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
現金過不足の決算処理に関する仕訳問題。
- 現金過不足の原因が判明したときは、現金過不足勘定から正しい勘定科目に振り替えます
- 現金過不足の原因が決算日までに判明しなかったときは、不足分は雑損(費用)、過剰分は雑益(収益)で処理します
- 決算にあたって、現金過不足勘定(不足分=借方残高)は貸方→に記入し、全額を取り崩します。
- 支払手数料と判明した2,000円分については支払手数料(費用)、原因が判明しなかった100円分については雑損(費用)で←借方に記入します。
問11.【小口現金】小口現金の支払報告
用度係から、次のような支払報告を受けた。なお、当社は定額資金前渡制度を採用しているが、用度係に対する小口現金は、週明けに小切手を振り出して補給する。
旅費交通費 ¥20,000
通信費 ¥3,000
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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旅費交通費 | 20,000 | 小口現金 | 23,000 |
通信費 | 3,000 | ||
– | |||
– | – |
【解説】
小口現金の支払報告に関する仕訳問題。
- 小口現金の支払報告を受けたときは、報告内容に基づき←借方に費用の勘定科目を記入します
- 小口現金から支払ったときは、小口現金(資産)を貸方→に記入します(小口現金の補給がない場合)
- 小口現金の支払報告を受けたときは、報告内容に基づき←借方に費用の勘定科目を記入します。本問では、旅費交通費(費用)、通信費(費用)で記入します。
- 小口現金から支払ったため、小口現金(資産)を貸方→に記入します(小口現金の補給がない場合)。
難易度 Lv.3 ★★★(むずかしい)
問12.【現金】現金過不足③
現金過不足勘定で処理していた¥1,400(過剰額)につき、決算日においてあらためて原因を調査したところ、通信費¥29,000の支払いの計上漏れ、売掛金の回収¥30,000の計上漏れだったことが判明した。残りの金額については原因が不明であったため、適切な処理を行った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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現金過不足 | 1,400 | 売掛金 | 30,000 |
通信費 | 29,000 | 雑益 | 400 |
– | |||
– | – |
【解説】
現金過不足の決算処理に関する仕訳問題。
- 現金過不足の原因が判明したときは、現金過不足勘定から正しい勘定科目に振り替えます
- 現金過不足の原因が決算日までに判明しなかったときは、不足分は雑損(費用)、過剰分は雑益(収益)で処理します
- 決算にあたって、現金過不足勘定(過剰分=貸方残高)は←借方に記入し、全額を取り崩します。
- 通信費の支払いと判明した29,000円分については通信費(費用)を←借方に記入し、売掛金の回収と判明した30,000円分については売掛金(資産)を貸方→に記入します。
- 原因が判明しなかった400円分については雑益(収益)を貸方→に記入します。
問13.【小口現金】小口現金の支払報告と補給
小口現金係から、次のような支払報告を受けたため、ただちに同額の小切手を振り出して小口現金係に渡した。当社は定額資金前渡制を採用している。また、ICカードについては、チャージの報告時に旅費交通費勘定で処理している。
ICカードチャージ ¥30,000(全額電車・バス料金の支払いに使用している)
文房具代 ¥10,000
収入印紙 ¥5,000
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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旅費交通費 | 30,000 | 当座預金 | 45,000 |
消耗品費 | 10,000 | ||
租税公課 | 5,000 | – | |
– | – |
【解説】
小口現金の支払報告と補給に関する仕訳問題。
- 支払報告と同時に小口現金の補給が行われたときは、小口現金勘定は使用せず、補給元の勘定科目を減少させます(小切手を振り出して補給したときは当座預金を貸方→に記入します)
- 小口現金の支払報告を受けたときは、報告内容に基づき←借方に費用の勘定科目を記入します。ICカードのチャージ代については旅費交通費(費用)、文房具代については消耗品費(費用)、収入印紙代については租税公課(費用)で記入します。
- 小口現金を小切手を振り出して補給したので、当座預金(資産)を貸方→に記入します(支払報告と同時に補給した場合は小口現金勘定を使用しません)。