この記事では、帳簿の種類(主要簿と補助簿)について解説しています。日商簿記3級試験の第2問や第3問を攻略するうえで必須の知識となりますので、しっかり学習しておきましょう。
- 仕訳帳と総勘定元帳の2つの帳簿を主要簿という。
- 主要簿を補助するために必要に応じて作成される帳簿を補助簿という。
帳簿の種類と役割をざっくり把握しておこう
1. 用語
- 主要簿(しゅようぼ) … 仕訳帳と総勘定元帳の2つの帳簿のこと。これらの帳簿は必ず作成され、すべての取引が記録される。
- 補助簿(ほじょぼ) … 主要簿を補助するために必要に応じて作成される帳簿。
- 記帳(きちょう) … 帳簿に記入すること。
- 転記(てんき) … ある帳簿から他の帳簿に内容を書き写しますこと。特に仕訳帳から総勘定元帳に書き写すことを指す場合が多い。
2. 主要簿とは?
これまで学習してきたとおり、簿記では取引が発生したらその都度、仕訳の形式で取引を記録します。その仕訳は、「仕訳帳(しわけちょう)」という帳簿に記入します(帳簿に記入することを記帳といいます)。
そして、仕訳帳に記入した内容は、「総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)」という帳簿に書き写します。この書き写す作業のことを転記(てんき)といいます。
仕訳帳と総勘定元帳の2つ帳簿は、必ず作成しなければならない帳簿であることから、「主要簿(しゅようぼ)」と呼ばれています。主要簿にはすべての取引が記録されることになります。
仕訳帳と総勘定元帳の概要は次のとおりです。詳しくは次の講座で解説します。
分類 | 帳簿名 | 内容 |
---|---|---|
主要簿 | 仕訳帳 | すべての取引を日付順に仕訳形式で記録するための帳簿 |
総勘定元帳 | すべての取引を勘定科目ごとに記録するための帳簿 |
3. 補助簿とは?
主要簿を補助する目的で、必要に応じて作成する帳簿を「補助簿(ほじょぼ)」といいます。
補助簿は、特定の勘定科目について主要簿よりも詳細な記録を行うために作成され、どの補助簿を作成するかは会社が判断することになります。
また、補助簿は大きく分けて「補助記入帳(ほじょきにゅうちょう)」と「補助元帳(ほじょもとちょう)」の2つに分類できます。
補助記入帳とは、現金出納帳や売上帳のように、特定の勘定科目の増減明細を取引発生順に記録するための補助簿です。
一方、補助元帳は、売掛金元帳や商品有高帳のように、特定の勘定科目について、取引先別や商品別などに区分して記録するための補助簿です。
補助簿の種類について、表にまとめると次のようになります。
分類 | 帳簿名 | 内容 | |
---|---|---|---|
補助 記入帳 | 現預金 | 現金出納帳 | 現金の増減明細を記録するための帳簿 |
当座預金出納帳 | 当座預金の増減明細を記録するための帳簿 | ||
小口現金出納帳 | 小口現金の増減明細を記録するための帳簿 | ||
商品売買 | 仕入帳 | 仕入勘定の増減明細を記録するための帳簿 | |
売上帳 | 売上勘定の増減明細を記録するための帳簿 | ||
手形 | 支払手形記入帳 | 支払手形の増減明細を記録するための帳簿 | |
受取手形記入帳 | 受取手形の増減明細を記録するための帳簿 | ||
補助 元帳 | 商品在庫 | 商品有高帳 | 商品の増減(受払)を記録するための帳簿 |
商品売買 (掛け代金) | 買掛金元帳 | 買掛金の増減を仕入先別に記録するための帳簿 | |
売掛金元帳 | 売掛金の増減を得意先別に記録するための帳簿 | ||
固定資産 | 固定資産台帳 | 固定資産を管理するための帳簿 |
4. 確認テスト
4-1.【問題1】主要簿の種類
次のうち、主要簿に含まれる帳簿として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群の中から選んでください。
【選択肢】
ア. 仕入帳と売上帳 イ. 買掛金元帳と売掛金元帳 ウ. 仕訳帳と商品有高帳
エ. 仕訳帳と総勘定元帳 オ. 現金出納帳と総勘定元帳
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【解答】
エ. 仕訳帳と総勘定元帳
【解説】
主要簿は、会社で必ず作成される「仕訳帳」と「総勘定元帳」の総称です。
4-2.【問題2】補助簿の種類
次のうち、現金の増減明細を記録するための帳簿を下記の解答群の中から選んでください。
【選択肢】
ア. 当座預金出納帳 イ. 現金出納帳 ウ. 仕訳帳 エ. 売上帳 オ. 固定資産台帳
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【解答】
イ. 現金出納帳
【解説】
現金の増減明細を記録するための帳簿は「現金出納帳」です。
以上で第34回の日商簿記3級講座はおわりです。お疲れさまでした!