簿記は日商簿記検定を通じて学習するのが最も効率的です。合格すれば履歴書にも書けるので、就職や転職時のアピールポイントにもなります。この記事では日商簿記検定の概要について解説しているので、これから合格を目指したい方はぜひご一読ください!
日商簿記検定はビジネス系の資格でトップクラスにメジャーな資格だよ!
日商簿記検定とは?
日商簿記検定(以下、日商簿記。)は、日本商工会議所および各地商工会議所が主催する簿記の技能に関する検定試験です。
簿記検定には、日商簿記検定のほかに、全国商業高等学校協会が主催する「全商簿記」、全国経理教育協会が主催する「全経簿記」がありますが、一般的に「簿記検定」といった場合は日商簿記を指しているといって差し支えありません。
国家資格ではありませんが、その知名度は抜群で、経理職などの事務職への就職・転職やキャリアアップに有利な資格とされています。また、近年の簿記・会計知識の重要性の高まりを受け、事務職に限らず、ビジネスパーソンの基礎教養として取得が推奨される資格と認知されています。
日商簿記には、原価計算初級・簿記初級・3級・2級・1級という5つの試験があります。初級が一番難易度が低いですが、一般的に履歴書に書けるのは3級からだと言われるので、3級から受験する方が多いです。
各試験の直近の受験者数と合格率はご覧の通りです。
試験名 | 集計期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
1級 | 165回(2023.11.19) | 10,251名 | 1,722名 | 16.8% |
164回(2023.6.11) | 9,295名 | 1,164名 | 12.5% | |
2級 ※ | 2023年4月~2024年3月 | 119,036名 | 41,912名 | 35.2% |
3級 ※ | 2023年4月~2024年3月 | 238,155名 | 88,264名 | 37.1% |
簿記初級 ※ | 2023年4月~2024年3月 | 3,271名 | 1,960名 | 59.9% |
原価計算初級 ※ | 2023年4月~2024年3月 | 1,211名 | 1,089名 | 89.9% |
出典:https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data
1級以外の試験は、年3回開催されるペーパー試験である「統一試験方式」と、年間を通して随時受験可能な「ネット試験方式」のいずれかが選べます。現在の主流はネット試験方式なので、上表の1級以外のデータはネット試験の数字のみ掲載しています。
皆さんがこれから受験するであろう3級・2級を見てみましょう。合格率は4割を切っていますね。これだけみると難易度が高そうに見えますが、日商簿記はちゃんと基礎を理解して受ければ必ず合格する試験です。安心して学習をスタートしてください。
日商簿記3級の試験概要
3級は「基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル」を想定した試験です。
ここでいう商業簿記は、購買活動や販売活動を行うすべての業種を対象とした簿記です。一般的に簿記という場合は商業簿記を指します。
受験資格 | どなたでも受験可能 |
試験日 | 統一試験:年3回(6月(第2日曜日)/11月(第3日曜日)/2月(第4日曜日)) ネット試験:テストセンターが定める日時で随時 |
試験科目 | 商業簿記 |
出題構成 | 大問が3問出題されます 第1問(配点45点):仕訳問題が15問以内 第2問(配点20点):勘定記入、補助簿、空欄補充などの問題から2問 第3問(配点35点):財務諸表や精算表の作成などの問題から1問 |
合格基準 | 70点以上 |
試験時間 | 60分 |
受験料 | 3,300円 ※事務手数料550円が別途発生します |
日商簿記2級の試験概要
2級は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」を想定した試験です。
3級で学んだ商業簿記に加え、2級では工業簿記が出題範囲に追加されます。工業簿記とは、工場などで製品を製造する製造業を対象とした簿記です。製品などの原価を計算する原価計算も含みますので、より複雑な計算が求められる試験となります。
受験資格 | どなたでも受験可能 |
試験日 | 統一試験:年3回(6月(第2日曜日)/11月(第3日曜日)/2月(第4日曜日)) ネット試験:テストセンターが定める日時で随時 |
試験科目 | 商業簿記、工業簿記 |
出題構成 | 大問が5問出題されます 第1問(配点20点):仕訳問題が5問 第2問(配点20点):個別的な問題、勘定記入、連結会計、文章の空欄補充などから出題 第3問(配点20点):財務諸表の作成、本支店会計など個別決算に関する問題 第4問(配点28点):工業簿記の仕訳問題と、勘定連絡、工業簿記の財務諸表、部門別原価計算、個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算(勘定記入、財務諸表の作成)のうち1問が出題 第5問(配点12点):標準原価計算(差異分析)、直接原価計算、CVP分析のうち1問が出題 |
合格基準 | 70点以上 |
試験時間 | 90分 |
受験料 | 5,500円 ※事務手数料550円が別途発生します |
日商簿記1級の試験概要
1級は「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル」を想定した試験です。
合格すると税理士試験の受験資格が得られるため、公認会計士や税理士などの国家資格への登竜門といわれる試験です。
受験資格 | どなたでも受験可能 |
試験日 | 年2回(6月(第2日曜日)/11月(第3日曜日))※統一試験のみ |
試験科目 | 商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算 |
合格基準 | 70点以上。ただし、1科目ごとの得点は40%(10点)以上。 |
試験時間 | 商業簿記・会計学:90分 工業簿記・原価計算:90分 |
受験料 | 8,800円 ※事務手数料550円が別途発生します |
以上、参考になれば幸いです!