日商簿記3級で出題される「有形固定資産」に関する仕訳を集めた問題集です。
学習内容の復習や、本試験の第1問対策として、全問正解を目指してチャレンジしてみてください。
難易度 Lv.1 ★☆☆(やさしい)
問1. 建物の取得
建物¥6,000,000を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。なお、購入にあたって、登記料¥30,000と仲介手数料¥100,000、契約書の印紙代¥10,000(費用処理すること)を現金で支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
建物 | 6,130,000 | 当座預金 | 6,000,000 |
租税公課 | 10,000 | 現金 | 140,000 |
– | – | ||
– | – |
【解説】
建物の取得に関する仕訳問題。
建物を取得したときは、建物(資産)で処理し、取得原価には登記料や仲介手数料などの付随費用を含めます
- 建物を取得したときは、建物(資産)を←借方に記入します。
- 建物の取得原価は、購入代価6,000,000円に、登記料30,000円と仲介手数料100,000円を加えた6,130,000円で処理します。
- 契約書の印紙代10,000円は費用処理するという指示にしたがって、租税公課(費用)で処理し、←借方に記入します。
- 建物の購入代価6,000,000円については、小切手を振り出して支払ったので、当座預金(資産)を貸方→に記入します。
- 登記料30,000、仲介手数料100,000円、印紙代10,000円の合計140,000円については、現金で支払ったので、現金(資産)を貸方→に記入します。
問2. 土地の取得
事務所を建てる目的で購入した土地について、建設会社による整地作業が完了し、代金¥400,000を当座預金から支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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土地 | 400,000 | 当座預金 | 400,000 |
– | |||
– | – | ||
– | – |
【解説】
土地の取得に関する仕訳問題。
土地を取得したときは、土地(資産)で処理します。取得した土地を実際に使用できるようにするための土地の整地費用についても、土地の取得原価に含めます。
- 土地の整地費用を支払ったときは、土地の取得原価に含めるため、土地(資産)を←借方に記入します。
- 当座預金から支払ったため、当座預金(資産)を貸方→に記入します。
問3. 備品の取得
事務用のコピー機を購入し、配送運賃¥1,000を含めた¥51,000のうち、¥10,000を現金で支払い、残額は翌月以降の分割払いとした。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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備品 | 51,000 | 現金 | 10,000 |
– | 未払金 | 41,000 | |
– | – | ||
– | – |
【解説】
備品の取得に関する仕訳問題。
- 備品を取得したときは、備品(資産)で処理します
- 商品仕入以外の取引から発生した代金を後払いにする場合は、未払金(負債)で処理します
- 備品を取得したときは、備品(資産)を←借方に記入します。
- 10,000円を現金で支払ったので、現金(資産)を貸方→に記入します。
- 残額41,000円については分割払い(後払い)としたので、未払金(負債)を貸方→に記入します。
問4. 有形固定資産の賃貸借(家賃や地代の支払い)
事業用店舗の当月分の家賃¥200,000、駐車場として借りている土地の当月分の地代¥50,000を普通預金口座から支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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支払家賃 | 200,000 | 普通預金 | 250,000 |
支払地代 | 50,000 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
家賃、地代の支払いに関する仕訳問題。
- 建物の賃借料(家賃)を支払ったときは、支払家賃(費用)で処理します
- 土地の賃借料(地代)を支払ったときは、支払地代(費用)で処理します
- 家賃200,000円は支払家賃(費用)、地代50,000円は支払地代(費用)を←借方に記入します
- 普通預金口座から支払ったので、普通預金(資産)を貸方→に記入します。
問5. 有形固定資産の賃貸借契約(敷金の差し入れ)
店舗用の建物を1か月の家賃¥150,000で賃借する契約を結び、敷金(家賃2か月分)および不動産会社への仲介手数料(家賃1か月分)を当座預金口座から支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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差入保証金 | 300,000 | 当座預金 | 450,000 |
支払手数料 | 150,000 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
敷金や仲介手数料の支払いに関する仕訳問題。
- 建物などを借りる際に敷金や保証金を差し入れたときは、差入保証金(資産)で処理します
- 賃貸借契約時の不動産会社への仲介手数料を支払ったときは、支払手数料(費用)で処理します
- 敷金を差し入れたときは、差入保証金(資産)を←借方に記入します。金額は家賃2か月分なので、300,000円(150,000円×2)で記入します。
- 賃貸借契約時の仲介手数料を支払ったときは、支払手数料(費用)を←借方に記入します。金額は家賃1か月分なので、150,000円で記入します。
- 当座預金口座から支払ったので、当座預金(資産)を貸方→に記入します。
難易度 Lv.2 ★★☆(ふつう)
問6. 複数の有形固定資産の取得
オフィス用の建物¥1,200,000と土地¥3,000,000を購入し、代金は仲介手数料(それぞれの代金の2%)を含めて小切手を振り出して支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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建物 | 1,224,000 | 当座預金 | 4,284,000 |
土地 | 3,060,000 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
複数の有形固定資産(建物と土地)の取得に関する仕訳問題。
複数の有形固定資産を同時に取得したときは、それぞれの取得原価を算定して資産計上します
- 建物の取得原価は、購入代価1,200,000円に、付随費用(仲介手数料)24,000円(代金1,200,000円×2%)を加えた1,224,000円です。これを建物(資産)として←借方に記入します。
- 土地の取得原価は、購入代価3,000,000円に、付随費用(仲介手数料)60,000円(代金3,000,000円×2%)を加えた3,060,000円です。これを土地(資産)として←借方に記入します。
- 小切手で支払ったので、当座預金(資産)として貸方→に記入します。金額は代金に仲介手数料を含めた4,284,000円(1,224,000円+3,060,000円)です。
問7. 有形固定資産の売却①
期首に、不要となった備品(取得原価¥340,000、減価償却累計額¥280,000、間接法で記帳)を¥50,000で売却し、売却代金は月末に受け取ることとした。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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未収入金 | 50,000 | 備品 | 340,000 |
備品減価償却累計額 | 280,000 | ||
固定資産売却損 | 10,000 | – | |
– | – |
【解説】
期首における有形固定資産の売却(売却価額<帳簿価額)に関する仕訳問題。
- 期首に有形固定資産を売却したときは、売却した有形固定資産の取得原価と減価償却累計額を減少させるとともに、売却価額と帳簿価額の差額を固定資産売却益(収益)または固定資産売却損(費用)で処理します
- 売却価額<帳簿価額の場合は、固定資産売却損(費用)で処理します
- 商品販売以外の取引から発生した代金をあとで受け取る場合は、未収入金(資産)で処理します
- 売却代金は月末に受け取ることとなっているため、未収入金(資産)を←借方に記入します。
- 備品を売却したので、備品(資産)を貸方→に記入し、備品減価償却累計額(資産の評価勘定)を←借方に記入します。
- 売却価額50,000円<帳簿価額60,000円なので、差額の10,000円は固定資産売却損(費用)で処理し、←借方に記入します。
問8. 有形固定資産の売却②
X1年4月1日に購入した備品(取得原価360,000円、残存価額ゼロ、耐用年数3年、間接法で記帳)をX3年7月31日に¥100,000で売却し、代金は後日受け取ることとした。なお、当社の会計期間は4月1日から3月31日までの1年間であり、減価償却費は月割りで計算している。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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未収入金 | 100,000 | 備品 | 360,000 |
備品減価償却累計額 | 240,000 | 固定資産売却益 | 20,000 |
減価償却費 | 40,000 | – | |
– | – |
【解説】
期中における有形固定資産の売却(売却価額>帳簿価額)に関する仕訳問題。
- 期中・期末に有形固定資産を売却したときは、当期分の減価償却費(費用)を計上したうえで固定資産売却損益を計算します
- 売却価額>帳簿価額の場合は、固定資産売却益(収益)で処理します
- 売却代金は後日受け取ることとなっているため、未収入金(資産)を←借方に記入します。
- 備品を売却したので、備品(資産)を貸方→に記入し、備品減価償却累計額(資産の評価勘定)を←借方に記入します。備品減価償却累計額の金額は、取得原価360,000円÷耐用年数3年×2年(取得日から当期首までの期間:X1/4/1~X3/3/31)で計算し、240,000円を計上します。
- 当期首から売却日までの4か月分(X3/4/1~X3/7/31)の減価償却費は、減価償却費(費用)で処理し、←借方に記入します。金額は取得原価360,000円÷耐用年数3年×4か月÷12か月で計算し、40,000円を計上します。
- 売却価額100,000円>帳簿価額80,000円なので、差額の20,000円は固定資産売却益(収益)で処理し、貸方→に記入します。
問9. 有形固定資産の改良と修繕
建物の改良と修繕を行い、工事代金¥130,000は翌月末に支払うこととした。なお、工事代金のうち¥70,000は改良(資本的支出)、残額は定期的な修繕(収益的支出)である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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建物 | 70,000 | 未払金 | 130,000 |
修繕費 | 60,000 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
有形固定資産(建物)の改良と修繕に関する仕訳問題。
- 建物の改良(資本的支出)を行ったときは、建物(資産)で処理します
- 修繕(収益的支出)を行ったときは、修繕費(費用)で処理します
- 工事代金のうち、70,000円分については改良(資本的支出)なので、資産の増加として、建物(資産)を←借方に記入します。
- 残額60,000円分については修繕(収益的支出)なので、ので、修繕費(費用)を←借方に記入します。
- 工事代金は翌月末に支払うこととしたので、未払金(負債)を貸方→に記入します
問10. 有形固定資産の賃貸借契約の解約
店舗用建物の賃貸借契約を解約し、契約時に支払った敷金¥150,000について、修繕費を差し引かれた残額¥100,000が普通預金口座に振り込まれた。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
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普通預金 | 100,000 | 差入保証金 | 150,000 |
修繕費 | 50,000 | ||
– | – | ||
– | – |
【解説】
賃貸借契約の解約にともなう敷金の返金に関する仕訳問題。
賃貸借契約の解約時に敷金や保証金が返金されたときは、差入保証金(資産)を貸方→に記入し、修繕費を差し引かれたときは、その金額を修繕費(費用)で処理し、←借方に記入します
- 賃貸借契約の解約時に敷金や保証金が返金されたときは、差入保証金(資産)を貸方→に記入します。金額は差し入れていた150,000円全額で記入します。
- 普通預金口座に振り込まれたので、普通預金(資産)を←借方に記入します。金額は実際に振り込まれた100,000円で記入します。
- 敷金から差し引かれた修繕費50,000円については、修繕費(費用)で処理し、←借方に記入します。